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SDGsの取り組み

京成ホテルミラマーレは経済価値と社会価値を両立するとともに、地方創生が重要だと考えています。
私たちは人々が安心して暮らせるような、持続可能な開発目標であるSDGsによる街作りと地域活性化に貢献し、よりよい地域社会を築けるよう活動を行なってまいります。

Local SDGs Introduction 地域のSDGs紹介

【酒蔵レポート】吉野酒造|伝統と挑戦で美味しい日本酒を作り続ける老舗酒蔵

こんにちは、京成ホテルミラマーレで広報を担当している「しほ」と申します。
今回、ホテルのホームページで千葉の魅力とSDGsについての取り組みを紹介することになりました!

社長から「好きな分野を掘り下げていいよ!」と言われて、そりゃもういろいろ悩みました。
「千葉の魅力って何だろう?」「SDGsの取り組みって何があるんだろう?」
途方に暮れて家に帰る途中に、ふと上を見上げるとなんだか気になるビルが、、、

恐る恐る入ってみると、そこは千葉県酒造組合のビルで、2Fにあがるとなんと千葉の地酒ショップがありました!!

そうだ、これだ! 千葉にはたくさんの酒蔵があるって聞いたことがある!うちの社長も夜の席で「この銘柄はね、うんたらかんたら」とわたしが知らないお酒の知識を披露してたわ。笑
早速、翌日に社長に話したところ、「うん、それは良いアイディアだね!」と言ってもらいました~。

そういえば、ミラマーレでもお正月に吉野酒造さんの酒樽を飾ってある!!!

早速、百聞は一見にしかず、ということでいつもお世話になっている吉野酒造さんに取材の申し込みをしたところ快諾いただきました。

緊張の第一回目の取材は、腰古井(こしごい)で有名な吉野酒造さんに決まりました!

【酒蔵レポート】吉野酒造|伝統と挑戦で美味しい日本酒を作り続ける老舗酒蔵

あらためまして、しほです。緊張の第一回は吉野酒造さんにやってきました。
千葉中央のミラマーレから車で約2時間、天気も良く九十九里ビーチラインで海を眺めながらの快適ドライブでした。

そして吉野酒造さんに到着!まず車から降りて目に入ったのは大きな歴史ある酒蔵の建造物!
吉野酒造さんは天保年間(1830年)創業とのことですが、実際にはそれ以前からお酒を醸造していたとのこと。
そういえば高校の時に日本史で天保の改革って勉強したなー、と思いつつ、門をくぐります。

門には、登録有形文化財の看板がありました。吉野酒造さんは2008年4月に国の登録有形文化財として登録されています。
大きな切妻屋根が連なる酒蔵2棟や、店舗と住居を兼ねた主屋、南蔵、北土蔵、旧馬屋石塀や門1基のほか、醸造の神様をお祀りしている松尾神社、高さ16メートルの煉瓦造りの煙突など敷地内の建物のほとんどが有形文化財として登録されているそうです。

登録有形文化財は、建設後50年経過しているもので、国土の歴史的景観に寄与している建物、造形の規範となっている、再現することが容易でないの条件のうち、いずれかに当てはまるものとされています。

門をくぐるとまず目にするのはレンガ造りの大きな煙突です。高さは16メートルもあるんですって。
ますます期待が高まります!!

ちょうどその時に吉野社長と、奥様で取締役の吉野直子さんに来ていただきご挨拶させていただきました。そして奥様による酒蔵見学がスタートです♪

吉野酒造さんの人気の秘密をみつけちゃいます。

【精 米】

まずは醸造用の精米機から教えていただきました。うちの社長も興味津々でお話をお伺いしてます。
仕事ではこんな真剣な顔見たことないのに・・・

さて本題の精米機ですが、精米は玄米の表面を削っていく工程で、ちょうど杜氏さんが来る前あたりから精米機を動かしているとのこと。この日は運よく精米機が動いているのを見ることができました。(グオングオンと音を立ててます)

吉野酒造さんでは自社で醸造用精米機を設置していて、奥様に自社でのメリットを聞いたところ、「ひび割れや砕米を減らし丁寧に磨けるということと、原料米の状態から自分の目で確認できること」とおっしゃってました。
「今は原形精米が主流となっているけど、扁平精米という削り方もできるのよ」

ゲンケイ精米?ヘンペイ精米?うーん、まだまだ知らないことだらけですね。

『原型精米』はお米の形のまま、長さ、幅、厚みを均等に磨きます。
『扁平(へんぺい)精米』は更に厚みを多く削り、平べったい形に仕上げます。
タンパク質、脂質などの成分がより多く削られて雑味の少ない酒質になるそうです。

精米歩合は%で表され、お酒のグレードによって磨く割合も違い、%が少なくなる程、米粒も小さくなり精米時間もその分、掛かってしまう!
でも時間や手間が掛かっても、吉野酒造さんは自社精米にこだわって、丁寧にお仕事をしている様子がとても理解できました!

【洗米・浸漬・蒸し】

次は磨いた酒米を水で洗って浸漬(しんせき)する作業です。

米を洗うことで、表面に残っているヌカをとり、その後で浸漬させていくのですが、米の種類や特性、精米歩合、仕込む日本酒の種類によって、お水に浸す時間で吸収させる水分量も変わってくるそうで気の抜けない作業なんです。

次は蒸し(むし)の作業です。実際に蒸しているところは見ることはできませんでしたが、浸漬のあとに水を張った釜の上にのせた甑(こしき)の中にお米を均して釜の湯を沸かし蒸すそうです。
甑(こしき)は蒸籠のようなものだそうで、白い布で上を蓋で被せるように覆います。

この作業、ものすごく繊細で、米の種類や精米歩合の違う酒米を段々に重ねて、同じ時間で蒸し上げるということで浸漬時間の調整がここで生かされてくるとのこと。

ご飯は炊くっていうけど、なんで酒米は蒸しって言うんだろうって疑問に思ってましたが意味がわかりました!

【放 冷】

次に甑(こしき)で蒸した米を「放冷」するという工程になります。蒸米は麹造り用、酒母造り用、掛米(もろみの仕込み)用にわけて、それぞれ適正な温度までほぐしながら冷まします。

吉野酒造さんでは甑のとなりに「放冷機」がおいてあり、蒸米を投入口から入れてクラッシャーでほぐしつつ、ステンレスメッシュのベルトコンベアで運ばれる間にファンの吸い込む風で冷ましていきます。

【製 麹】

ここで冷やされた後は、製麹(せいぎく)室で麹をつくる作業が行われます。

とても重要な工程で、もちろん私たちは製麹室に入ることは出来ません。この奥に特別なお部屋の「麹室(こうじむろ)」があり、その中で杜氏により「種麹(たねこうじ)」と呼ばれる麹菌の胞子を振りかけていくのです。
暖かな麹室で約2日間の工程を経て、甘みのある真っ白な麹が造られます。

【酒母造り】

出来あがった麹、水、酵母、蒸米、乳酸とともに酒母(しゅぼ)用のタンクで約12日間かけて酒母が作られます。
ここから仕込みの工程に入ります。「仕込み」は、酒母(しゅぼ)に麹、蒸米、水を加えて発酵させ、「醪(もろみ)」を造る工程をいいます。
当日は見学できませんでしたが、仕込みは添え、仲、留、の3段階にわかれているそうです。3回に分けることで醪の様子をみながら数回にわけて入れ発酵させるそうです。

吉野酒造さんでは、普通酒であれば白米で最大1600キロを大きなタンクで20日間程度の発酵・醪(もろみ)を仕込むそうです。

醪(もろみ)の発酵には、おおよそ3週間から5週間必要とされています。『並行複発酵』と言ってタンク内で「糖化」と「アルコール発酵」が同時にすすみ醪が完成します。日本酒度の+と-の数字の値で甘、辛の目安になります。プラスに数字が大きくなるほど辛口傾向、マイナスに数字が大きくなるほど、甘口傾向になります。
ちなみにわたしは「すっきりでキリっとした辛口」が好きです。

【上槽(搾り)、濾過・火入れ、貯蔵】

貯蔵に向けての仕上げの工程になります。
まずは上槽(搾り)と呼ばれるものですが、吉野酒造さんでは「ヤブタ式」と呼ばれる濾過圧搾機横型のフィルタープレスで醪が空気圧で搾られていました。
白い濾布にカバーされた2種類のアルミ板が交互に組まれていて、一方のゴム付きアルミ板は空気を送り込まれ膨らむことで圧搾される仕組みです。
この圧搾機の隙間に残ったものが板粕で、板状にならなかったものを「ばら粕」と呼んでいます。
この出来立ての酒粕で甘酒作ったら美味しいですよね、きっと!

しぼられた新酒は、おり引き(搾った後の原酒に残る不純物を沈殿させる)、味を調えるための濾過(原酒に残った雑味を取り除く)の過程を経て、火入れ(熱殺菌処理)を行い、貯蔵します。

【瓶詰め】

洗瓶した後にお酒をつめて、光を通して厳重にチェックします。そしてラベルを貼って出荷できるようになります。

【梅酒と夏みかんへの挑戦】

見学が終わった後に、吉野社長からいろいろとお話をお聞きしました。

~梅酒誕生秘話~
吉野酒造さんでは梅酒や夏みかん酒、ゆず酒やいちご酒まで作っているんですが、なぜ作り始めたのか聞いてみました。

10年ほど前に、地元勝浦の農家さんから「梅は手間がかかるため、高齢化によって管理ができていない梅の木が増えた。また昔のように梅干しが売れなくなった」との相談があり、「それなら日本酒ベースの梅酒を作ろう!」と考えたそうです。まさにSDGsの考え方ですね!

もともと吉野社長は、「素材の持っている味や香りを最大限に引き出すこと」を考えていたことから、「よし、無添加の梅酒を作ろう」ということで作ってみたところ、純米大吟醸に梅の香りがうまくマッチしたとのこと。その後、国の地域資源活用事業の支援を得て、正式に事業計画の認定を受けました。

「夏みかん酒も作ったが、みかんは薄皮をむくのが大変で、薬品を使って取り除く方法もあるが、うちでは手で剥いて使っている」
こういった見えないところに手間をかけている酒蔵だからこそ、とっても美味しいものが出来上がるんですね!

他に何かチャレンジしているんですか?と聞いたところ、「いろいろ試しているが、いちじく酒が出来たらいいかな」とですって。
その時には必ずまた来ます!と心に誓い、みんなもそうだよね、と周りを見回したら、うちの社長がにごり酒を嬉しそうに試飲してました。。。

そんなこんなであっという間に時間が過ぎてしまい、酒蔵ツアーも終わりになりました。酒蔵の見学は初めてでしたが、昔ながらの手法を守りつつ、日本酒だけではなく梅酒や夏みかん酒のようにあくなき探求心で新しい分野を切り開く吉野酒造さんに感動してしまいました。

お忙しい中、対応してくださった吉野社長、奥様、そして吉野酒造の皆様方、本当にありがとうございました!

以 上

この記事を書いたのは...

広報担当

しほ

ミラマーレで広報を担当しています、しほです。
地域の魅力やSDGsの取り組みを紹介していきます!
趣味はネコとあそぶこととバスケット観戦です。

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